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特許の審査期間はどのくらいか?

公開日:2020年11月04日

 

 

皆さんこんにちは、弁理士の小林です。

 

さて、今日のテーマは「審査期間」です。

ここでいう「審査期間」というのは、審査請求(※1)後、最初の通知が来るまでの期間という意味です。

 

※1 審査請求についてはこちら↓↓↓↓↓↓

特許出願の流れ

 

特許庁からの最初の通知は二種類に分けられます。一つは「特許査定」、もう一つは「拒絶理由通知」です。前者は「許可します」という通知で、後者は「今のままでは許可できません」という通知です。

 

多くの場合、最初の通知は後者の「拒絶理由通知」です。なぜ、多くの場合「拒絶理由通知」が来るかというと、できるだけ広い権利を取れるように、最初は広めの請求をすることが多いためです。広めの請求をするということは、それだけ既存の発明とぶつかる可能性が高く、結果として「拒絶理由通知」という通知が送られてくることが多くなります。この最初の通知までに要する期間について、特許庁が発行する「2020年特許行政年次報告」には、次のように公表されています。

 

2017年:9.3カ月

2018年:9.3カ月

2019年:9.5カ月

 

このデータからすると、

 

最初の通知が「特許査定」の場合:9~10か月程度

最初の通知が拒絶理由通知」の場合:9~10か月程度+α(手直しや反論、再審査の期間(約3~4カ月))

 

の時間がかかるということになります。

 

もちろん、ここで示した審査期間は平均値であり、実際の審査期間はこれより長いことも短いこともあります。ご理解いただきたいのは、出願をしたからといってすぐに結論が出るものではないということです。特許出願をご検討の際には、この点をご理解いただいたうえで、早め早めに準備をすることをお勧めします。

 

ちなみに、結論を早く得たいときには、早期審査スーパー早期審査という制度を利用することができます。これらの制度を利用すれば、1~3か月程度で最初の通知がもらえます。早期審査やスーパー早期審査をするためには一定の条件を満たす必要がありますが、早期の権利取得をご希望の場合は、これらの制度を活用するのも一案です。

 

 

今回のテーマはいかがでしたか?特許の審査期間についてご理解いただけましたか?今後も、知財制度について情報をアップしていきます。知財制度の理解を深め、ビジネスにしっかり活用していきましょう!!

 

(おまけ)意匠と商標の審査期間(出所:2020年特許行政年次報告)

【意匠】

2017年:5.9カ月

2018年:6.1カ月

2019年:6.0カ月

【商標】

2017年:5.6カ月

2018年:7.6カ月

2019年:9.5カ月

 

 

 

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