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発明ってなんだ?~特許法上の発明を理解する~

公開日:2025年02月13日

 

 

皆さんこんにちは。弁理士の小林です。

(前回の投稿からだいぶ時間が空いてしまいました。今年は、時間を見つけて投稿を増やしていきたいと考えています。こんな話を聞きたい等ご要望があれば、ご一報ください。)

 

さて、今日は「発明ってなんだ?~特許法上の発明を理解する~」というテーマについてお話します。特許を取得するためには、特許法上の「発明」とは何かを知っておくことが有益です。

 

本記事では、発明の特許法上の定義をはじめ、発明に当たらないもの、発明の種類(物の発明と方法の発明)、さらにはビジネスモデル特許についても解説します。

 

中小企業の知財担当者や経営者の方々が、自社の技術やアイデアを適切に保護するための基礎知識としてお役立てください。

 

1.特許法上の「発明」

 

日本の特許法では、「発明」は「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち、高度のもの」(特許法第2条第1項)と定義されています。

 

この定義から、特許法上の「発明」といえるためには、「自然法則を利用したものであること」「技術的思想の創作であること」「高度のものであること」の3つの要素を備えている必要があります。

 

2.発明に当たらないもの

 

特許庁が公表する審査基準では、次の類型に該当するものは「自然法則を移用した技術的思想の創作」ではなく、「発明」に該当しないとされています。

 

a.自然法則自体

  • エネルギー保存の法則、万有引力の法則など

 

b.単なる発見であって創作でないもの

  • 天然物(例:鉱石)、自然現象等の単なる発見など

 

c.自然法則に反するもの

  • 永久機関など

 

d.自然法則を利用していないもの

  • 自然法則以外の法則(例:経済法則)
  • 人為的な取決め(例:ゲームのルールそれ自体)
  • 数学上の公式
  • 人間の精神活動
  • ビジネスを行う方法それ自体など

 

e.技術的思想でないもの

  • 技能、情報の単なる提示、単なる美的創造物など

 

 

3. 発明の種類 「物の発明」と「方法の発明」

 

発明は 「物の発明」 と 「方法の発明」 に大別されます。

 

(1)物の発明の例

  •  装置や機械の発明(例:新しい構造のエンジン、電動工具)
  •  化学物質の発明(例:新薬、新しいプラスチック材料)
  •  プログラムの発明(例:AIを活用した画像処理プログラム)

 

プログラム(ソフトウェア)は形のある「物」ではありませんが、特許法上は「物の発明」として取り扱われます。

 

ただし、すべての国で同様に扱われるわけではありません。プログラムが発明に該当するか否かについては、国ごとに取扱いが異なることは覚えておきましょう。

 

(2)方法の発明の例

方法の発明は、特定の技術的手順やプロセスに関する発明であり、 「単純方法の発明」 と 「製造方法の発明」 に分けられます。

 

a.単純方法の発明

  • 物の生産を伴わない方法の発明
    (例:塗膜除去方法、配管更新工法、免震化工法、伝票印字方法)

 

b.製造方法の発明

  • 物の生産を伴う方法の発明
    ( 例:冷凍食品の製造方法、菓子の製造方法、多層基板の製造方法)

 

3.ビジネスモデル特許とは?

 

情報通信技術の発達に伴い、新たなビジネスモデルが次々と登場しています。近年はビジネスモデルに関する出願も増加していますが、ビジネスモデルであれば何でもかんでも発明に該当するわけではありません。

 

例えば、次のようなものは発明に該当しません。

 

  •  単なる販売手法(例:「会員制度を活用した販売戦略」)
  •  新しいポイント制度(例:「特定の条件でポイントが貯まる仕組み」)

 

一方で、情報通信技術(ICT)を活用し、新しい技術的工夫を加えたビジネスモデルは「発明」に該当する場合があり、特許の対象となる可能性があります。

 

例えば、次のようなものは発明に該当する可能性があります。

 

  •  AIを活用したレコメンドシステム
  •  決済システム(例:「ブロックチェーンを活用した安全な電子決済方法」)
  •  効率的な物流管理システム(例:「リアルタイムで最適な配送ルートを計算するアルゴリズム」)

 

4.まとめ

 

いかがでしたでしょうか?どのようなものが特許法上の「発明」に該当するか、イメージをつかんでいただけましたでしょうか?

 

中小企業にとって、ビジネスを守り、加速させるためには発明を適切に保護することが重要です。特許制度をうまく活用し、自社の技術的優位性を確保することで、競争力を高めることができます。そのためにも、どのようなものが「発明」に外とするのかを知っておくことは重要です。

 

日々の創作活動の中には多くの発明が隠れている可能性があります。「もしかして、これも発明に該当するのでは?」「これも発明に該当しそうだけど、自分では判断がつかない」など、気になることや分からないことがあれば、お気軽にご相談下さい。

 

本ブログでは、今後も、知財制度について情報をアップしていきます。知財制度の理解を深め、ビジネスにしっかり活用していきましょう!!

 

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弁理士 小林 正英

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