「特許は量より質」は本当か?

皆さんこんにちは。弁理士の小林です。
知財に関するよくある疑問・質問第5弾です。
Q「特許は量より質」とよく言われますが、
本当にそうなのでしょうか?
A.「特許は量より質」と言われますよね。
確かに、質の高い特許を取得することは重要です。
しかし、実務の現場では、
「量」が重要というケースも多くあります。
実際に、次のような相談を受けることがあります。
・新製品を開発した
・ある競合企業が特許をたくさん持っている
・どの特許が関係するのか調べるのが大変
・リスクがあるなら製造・販売はやめておこう
・鑑定をお願いしたいが、時間も費用もかけられない
・数が多くてすべての権利を回避するのは困難
つまり、
相談者の立場では
「特許が多いことで、他社に牽制されている」
権利者の立場では
「特許が多いことで、他社を牽制できている」
ということになります。
このようなケースは、まさに、
特許の量がものを言う例と言えます。
■ 特許の数が多いと何が起きるのか
特許は、1件ごとに一定の技術範囲をカバーする権利です。
そのため、特許を100件持っている企業は、
複数の特許によって、
広い範囲を押さえている可能性があります。
新しい製品を開発する企業から見ると、
「どの特許が関係するのか調べるだけでも大変」
「全部を確認するには時間も費用もかかる」
という状況になりやすくなります。
その結果、
「リスクがありそうだから、製造販売はやめておこう」
という判断になることもあります。
このように、実務上は、
特許の量そのものが参入障壁として機能する
ことがあります。
■ 個々の特許を回避するのは簡単ではない
「それなら特許を回避すればよい」と思うかもしれません。
しかし、特許が多数ある場合、
・1件回避しても
・別の特許に抵触する可能性がある
という状況になりやすく、
すべての特許を回避するのは非常に困難です。
さらに、他社特許を無効にするという方法もあります。
ただし、これも簡単ではありません。
特許が1件であればまだ対応できますが、
特許の数が多くなると
・無効審判の手続費用がかかる
・無効資料(先行技術)を探すだけでも手間暇がかかる
という問題があります。
そのため、現実には
すべての特許を無効にすることは難しい場合が多いです。
■ 中小企業にとっての現実的な考え方
権利侵害をされた場合には、
裁判で争うことも可能です。
しかし、裁判は時間的・費用的な負担が大きく、
中小企業にとってはハードルが高いのが現実です。
そのため、実務では
他社の参入を思いとどまらせること(牽制力)
が、特許の重要な役割になります。
中小企業にとっては、
牽制力を働かせることこそが、特許の最大の効果
と言える場合も多いでしょう。
もちろん、やみくもに出願すればよいわけではありませんが、
・重要な技術を中心に
・関連技術も含めて
・継続的に出願していく
という形で、ある程度の数を積み上げていくことは、
知財戦略として大きな意味があります。
特許は、
1件で広い技術範囲をカバーすることもあれば、
複数の特許を組み合わせて技術分野全体を押さえる、
という戦略もあります。
自社にとって、どちらが有益かを考え、
方針を決定するのが良いでしょう。
■ まとめ
「特許は量より質」という言葉は、
決して間違いではありません。
ただし、量がものをいうのも事実です。
特許は単なる技術の説明書ではなく、
競争環境を作るための経営ツールでもあります。
製品開発とあわせて、
どのように特許を積み上げていくかを考えることが、
将来の競争力につながります。
当事務所では、
知財部を持たない中小企業や中堅企業向けに
知財サービスを提供しています。
・どの技術を出願すべきか
・どのように特許を積み上げるべきか
といった点についてもご相談いただけます。
知財に関するご相談がありましたら、
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