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【特許編】特許出願に必要な書類について学びましょう!!

公開日:2021年02月07日

 

皆さんこんにちは、弁理士の小林です。

 

さて、今日のテーマは「特許出願に必要な書類」です。

特許出願をする際に提出する書類は次の4種類です。

 

  1. 願書
  2. 特許請求の範囲
  3. 明細書
  4. 図面

 

1.願書

願書とは出願の意思を示す書類で、発明者に関する情報や出願人に関する情報のほか、

出願に係る発明の分類などを記載します。

 

2.特許請求の範囲

特許請求の範囲は、権利として保護したい事項を記載する書類です。

特許請求の範囲には、【請求項】という形で保護を求める発明を記載します。

【請求項】は二つ以上記載することができますが、何でもかんでも一つの出願で請求できるわけではなく、

技術的な関連性が認められるものでなければなりません。

【請求項】の内容はビジネスの成否に影響を与えることがあるため、特に慎重に作成する必要があります。

 

3.明細書

明細書は、特許請求の範囲に記載した内容を具体的に説明するための書類です。

一般的に、広い権利を確保するため【請求項】の記載は包括的な表現で記載されます。

包括的な表現では具体的にどのようなことを言っているのか理解しにくいため、

明細書においてその内容を説明することになります。

拒絶理由通知が来た際には権利内容の手直し(補正)を行うことができますが、

補正は出願時点での明細書や図面に記載さた範囲内で行う必要があります。

新たな事項を追加できないため、明細書の作成にあたっては、

手直しに使えるような情報を記載しておくことが重要です。

 

4.図面

図面は発明の理解を助けるための書類です。

図面は必要な場合に提出すればよく、不要な場合には省略することができます。

特許できるか否かの審査は書面で行われるため、図面の良し悪しは審査官の理解に大きく影響します。

図面には符号を付け、明細書ではその符号を使って発明の説明を行います。

 

仮想の事例で考えてみましょう。

ある人が、みかんの皮とお酢を使ってジャムを作る方法を考えました。

この方法によれば、みかんの皮に含まれる成分Aの作用によって、砂糖を使ったジャムと同じような甘みのあるジャムを作ることができます。

砂糖を使用する必要がなく、砂糖の過剰摂取を抑えることができるというメリットがあります。

 

このような事例で、【請求項】に次のように記載したとします。

 

【請求項1】「みかんの皮を酢で煮ることによって・・・を特徴とするジャムの製造方法。」

 

 

この場合、「みかんの皮」の代わりに「グレープフルーツの皮」を使った第三者に対して権利行使できるでしょうか?

答えは「No.」です。

特許の世界では【請求項】に記載された内容が権利内容となります。

この例では「みかんの皮」と限定しているため「グレープフルーツの皮」は権利範囲外となってしまうのです。

 

では、【請求項】はどのように記載すれば良いでしょうか?

たとえば、砂糖と同等の甘みを得られる理由が柑橘類の皮に共通して含まれる「成分A」にあるとします。

この場合、【請求項】に次のように記載することが考えられます。

 

【請求項1】「柑橘類の皮を酢で煮ることによって・・・を特徴とするジャムの製造方法。」

 

 

このように記載することで、

前述の「グレープフルーツの皮」を使ってジャムを作る第三者に対して権利行使することができます。

 

もし、「成分A」が柑橘類以外の食物の皮にも含まれるようであれば、請求項をもっと広く記載しておく必要があります。

 

【請求項1】「成分A含有食物の皮を酢で煮ることによって・・・を特徴とするジャムの製造方法。」

 

 

このように【請求項】には包括的な表現を用いることで、漏れのない権利取得が可能になります。

一方で、包括的な表現については、何を意味するのかが分かりにくいという側面もあります。

前述の例で使われている「成分A含有食物」は一般用語ではないため、意味がよく分かりません。

 

そこで、明細書という書類において、その意味を説明しておく必要があります。

たとえば、明細書には次のように記載することが考えられます。

 

「成分A含有食物とは成分Aを含む果物や野菜などの食物を意味する。ここでいう果物には、みかんやグレープフルーツ、デコポン、はっさくなどの柑橘類のほか、ももやりんごなどが、また、野菜には、人参や大根、トマトなどが含まれる。」

 

このように記載しておくことで、【請求項】で使用した「成分A含有食物」の意味が明確になりますし、

拒絶理由通知への対応時に「柑橘類」「果物」「野菜」「みかん」等の表現を使って手直しを行うことができます。

 

このように、【請求項】や【明細書】にはそれぞれ果たすべき役割があり、

そのことを意識して書類を作成する必要があります。

 

特許出願をご自身でされる方もいらっしゃいますが、

出願書類は権利の良し悪しを決める大切な書類であるため、

しっかりとした権利を取得するためには、弁理士に依頼することをお勧めします。

 

 

今回は特許出願に必要な書類についてご説明しましたが、

イメージは掴んでいただけましたか?

 

 

今後も、知財制度について情報をアップしていきます。

知財制度の理解を深め、ビジネスにしっかり活用していきましょう!!

 

 

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