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【特許編】「拒絶理由通知」が来たらもう終わり?

公開日:2021年05月21日

 

皆さんこんにちは、弁理士の小林です。

今日のテーマは「拒絶理由通知」です。

 

以前お話した通り、特許の場合、出願手続きをしただけでは審査は始まりません。審査を始めてもらうためには、「審査請求」という手続きを行う必要があります。

 

※1 審査請求についてはこちら↓↓↓↓↓↓

 

審査請求の手続きを行うと、特許庁の審査官によって特許性の審査が行われます。

 

特許法には登録できない理由が定められており、出願された発明がその理由に該当するか否かが審査されます。

 

登録できな理由はさまざまですが、具体的には次のような事項が審査されます。

 

主な審査項目

  • 発明が客観的に新しいものと言えるか(新規性)
  • 従来技術と比べて飛躍的な進歩があるか(進歩性)
  • 当業者が実施できる程度に記載されているか(実施可能要件)
  • 保護を求める発明が出願書類において十分に説明されているか(サポート要件)

 

特許庁からの最初の通知

審査請求後、特許庁から来る通知は次のいずれかです。

  • 拒絶理由通知:許可できない理由が記載された通知
  • 特許査定  :許可しますという通知

 

特許出願に慣れていない方の中には、「拒絶理由通知=登録不可」と思われる方もいらっしゃいますが、「拒絶理由通知=登録不可」というわけではありません。

 

拒絶理由通知というのは、現時点では許可できないという暫定的な通知で、最終的な判断ではありません。

 

実務上、特許庁から来る最初の通知はほとんどの場合「拒絶理由通知です。最初から「特許査定」が来ることはあまり多くありません。

 

弁理士の立場で言うと、拒絶理由通知が来るのが当たりまえで、最初から特許査定が来たときの方がドキッとします。必要以上に権利範囲を限定している可能性があるためです。

 

拒絶理由通知が来るもは当たり前と考えておけば、拒絶理由通知が来ても慌てることはありませんね。

 

拒絶理由通知への対応

1.手直しと反論

拒絶理由通知が来た場合、出願人には手直しや反論の機会が与えられます。手直しは手続補正書という書面、反論は意見書という書面により行います。

 

具体的には、手続補正書で権利範囲を限定し、拒絶理由通知で指摘された先行文献(この先行文献のことを「引用文献」といいます)との違いを明確にします。

 

補正をした場合には、その補正によって拒絶理由を解消したことを意見書で説明します。

 

手続補正書や意見書を提出すると、改めて審査が行われ、特許性の有無が判断されることになります。

 

2.審査官面談

拒絶理由通知を受けた場合には、審査官と面談をすることもできます。

 

審査官に直接お会いして、試作品や写真、動画などを見せながら技術説明や引用文献との差異についての説明を行うことができます。

 

個人的には審査官との面談は積極的に行うべきだと考えています。実際の製品や試作品を見ることで、発明の理解を深めてもらうことができるからです。

 

審査官面談をお願いするときは、事前に補正の案文(この案文を「補正案」といいます)を作って送っておきます。面談当日はその補正案に沿って議論が行われます。

 

審査官によっては、補正案の内容で拒絶理由を解消すると判断した時に、この内容で出してもらえれば今回の拒絶理由は解消する旨の連絡をくれる場合があります。このときは面談を行う必要がなくなるため、面談自体はキャンセルされます。

 

面談を行った場合も、手続補正書や意見書を特許庁へ提出し、改めて審査を受けることになります。

 

まとめ

ここまで説明してきたように、「拒絶理由通知」というのは現時点では許可できないという暫定的な通知で、これを受け取ったから終わりということではありません。

 

我々弁理士の立場からすると、むしろそこからがスタートという感じです。

 

拒絶理由通知が来るのは当たり前と考え、拒絶理由通知が来ても慌てないようにしましょう。

 

ちなみに、拒絶理由通知は複数回来ることがあります。

 

2回目以降の拒絶理由通知には「最後」と表記されていることがあります。

 

この表示付きの拒絶理由通知を受けた場合、手直しできる範囲が制限されるため、「最後」の表示がない拒絶理由通知の場合に比べて、対応が難しくなります。

 

今日は拒絶理由通知とその対応についてお話をしてきましたが、イメージは掴んでもらえましたか?

 

今後も、知財制度について情報をアップしていきます。

 

知財制度の理解を深め、ビジネスにしっかり活用していきましょう!!

 

 

 

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