menu

「特許は量より質」は本当か?

公開日:2026年03月15日

 

 

皆さんこんにちは。弁理士の小林です。

知財に関するよくある疑問・質問第5弾です。

 

Q「特許は量より質」とよく言われますが、

本当にそうなのでしょうか?

 

A.「特許は量より質」と言われますよね。

確かに、質の高い特許を取得することは重要です。

 

しかし、実務の現場では、

「量」が重要というケースも多くあります。

 

実際に、次のような相談を受けることがあります。

 

・新製品を開発した

・ある競合企業が特許をたくさん持っている

・どの特許が関係するのか調べるのが大変

・リスクがあるなら製造・販売はやめておこう

・鑑定をお願いしたいが、時間も費用もかけられない

・数が多くてすべての権利を回避するのは困難

 

つまり、

 

相談者の立場では

特許が多いことで、他社に牽制されている

 

権利者の立場では

特許が多いことで、他社を牽制できている

 

ということになります。

 

このようなケースは、まさに、

特許の量がものを言う例と言えます。

 


 

■ 特許の数が多いと何が起きるのか

 

特許は、1件ごとに一定の技術範囲をカバーする権利です。

 

そのため、特許を100件持っている企業は、

複数の特許によって、

広い範囲を押さえている可能性があります。

 

新しい製品を開発する企業から見ると、

 

「どの特許が関係するのか調べるだけでも大変」

「全部を確認するには時間も費用もかかる」

 

という状況になりやすくなります。

 

その結果、

 

「リスクがありそうだから、製造販売はやめておこう」

 

という判断になることもあります。

 

このように、実務上は、

特許の量そのものが参入障壁として機能する

ことがあります。

 


 

■ 個々の特許を回避するのは簡単ではない

 

「それなら特許を回避すればよい」と思うかもしれません。

 

しかし、特許が多数ある場合、

 

・1件回避しても

・別の特許に抵触する可能性がある

 

という状況になりやすく、

すべての特許を回避するのは非常に困難です。

 

さらに、他社特許を無効にするという方法もあります。

 

ただし、これも簡単ではありません。

 

特許が1件であればまだ対応できますが、

特許の数が多くなると

 

・無効審判の手続費用がかかる

・無効資料(先行技術)を探すだけでも手間暇がかかる

 

という問題があります。

 

そのため、現実には

すべての特許を無効にすることは難しい場合が多いです。

 


 

■ 中小企業にとっての現実的な考え方

権利侵害をされた場合には、

裁判で争うことも可能です。

しかし、裁判は時間的・費用的な負担が大きく、
中小企業にとってはハードルが高いのが現実です。

 

そのため、実務では

 

他社の参入を思いとどまらせること(牽制力)

 

が、特許の重要な役割になります。

 

中小企業にとっては、
牽制力を働かせることこそが、特許の最大の効果

と言える場合も多いでしょう。

 

もちろん、やみくもに出願すればよいわけではありませんが、

 

・重要な技術を中心に

・関連技術も含めて

・継続的に出願していく

 

という形で、ある程度の数を積み上げていくことは、

知財戦略として大きな意味があります。

 

特許は、

1件で広い技術範囲をカバーすることもあれば、

複数の特許を組み合わせて技術分野全体を押さえる

という戦略もあります。

 

自社にとって、どちらが有益かを考え、

方針を決定するのが良いでしょう。

 


 

■ まとめ

 

「特許は量より質」という言葉は、

決して間違いではありません。

 

ただし、量がものをいうのも事実です。

 

特許は単なる技術の説明書ではなく、

競争環境を作るための経営ツールでもあります。

 

製品開発とあわせて、

どのように特許を積み上げていくかを考えることが、

将来の競争力につながります。

 


 

当事務所では、

知財部を持たない中小企業や中堅企業向け

知財サービスを提供しています。

 

・どの技術を出願すべきか

・どのように特許を積み上げるべきか

 

といった点についてもご相談いただけます。

 

知財に関するご相談がありましたら、

下記お問合せフォームよりお気軽にご連絡ください。

 

 

++++++++++++++++++++

知財の相談は秋葉原の小林国際特許事務所へ

++++++++++++++++++++

 

小林国際特許事務所

弁理士 小林 正英

東京都千代田区岩本町3-4-5第一東ビル

TEL:03-3866-3327 FAX:03-5821-6228

 

関連タグ

関連記事

記事はありませんでした

お問い合わせはこちらから

    入力必須
    貴社名・貴事業所名

    入力必須
    ご氏名

    入力必須
    メールアドレス

    入力必須
    お電話番号

    入力必須
    ご相談内容を500文字以内でご入力ください。



    〒101-0032 東京都千代田区岩本町3‐4‐5 第一東ビル