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特許権の権利範囲はどのように決まるのか?~権利範囲の考え方~

公開日:2025年03月17日

 

 

みなさん、こんにちは。弁理士の小林です。

 

「他社がうちの特許を侵害している。やめさせたい。」「新製品を売り出したいのですが、X社の特許に抵触していませんか?」こんなご相談をいただくことがあります。

 

ご相談いただく案件の中には、特許権侵害にあたるケースもあれば、そうでないケースもあります。後者のケースでは、特許権侵害、特に、権利範囲(保護範囲)の考え方を十分に理解されていないことが多いように思います。

 

特許の権利範囲の考え方は、特許の核ともいうべき大切な部分です。今日は、この特許の権利範囲の基本的な考え方についてお話しします。これまでに特許を取得した経験はあるけれど、正しく理解できているか自信がない、これから特許の取得を考えている、そういった皆様はぜひ参考にしてください。

 

1.特許発明の保護範囲は「特許請求の範囲」の記載で決まる

 

特許の権利範囲のことを「技術的範囲」といいます。特許発明の「技術的範囲」は「特許請求の範囲」の記載に基づいて決定されます。

 

「特許請求の範囲」というのは、特許出願の際に、特許権を取得したい発明の内容を記載したものです。特許請求の範囲には、発明を「請求項」という単位で記載します。「請求項」には保護を求める発明の構成を記載します。

 

例えば、次のような感じです。
「AとBとCを備える〇〇。」

 

ここでいうA, B, Cが発明を特定するための構成で、法律上は「発明特定事項」と言われます。

 

2.権利侵害に該当するか否かは、請求項の記載と他社製品を対比して判断する

 

特許権侵害に該当するか否かは、請求項の記載と他社製品を比較して判断します。具体的には、請求項に記載された発明を構成(発明特定事項)単位に区切り、他社製品がそのすべての構成を満たすか否かで判断されます。

 

比較の結果、他社製品が請求項の構成をすべて備えている場合には、他社製品は特許発明の技術的範囲に含まれ、特許権侵害となります。一方で、他社製品が請求項の構成を一部でも備えていない場合、他社製品は特許発明の技術的範囲に属するとは言えず、特許権侵害とはなりません。具体例をみてみましょう。

 

<ケース1>

請求項 :「AとBとCを備える〇〇。」
他社製品:「AとBとCを備える〇〇。」

 

⇒このケースでは、他社製品は請求項の構成をすべて満たしているため、特許権侵害となります。

 

<ケース2>
請求項 :「AとBとCを備える〇〇。」
他社製品:「AとBを備える〇〇。」

 

⇒このケースでは、他社製品は請求項のすべての構成を満たしているとは言えないため、特許権侵害とはなりません。

 

<ケース3>
請求項 :「AとBとCを備える〇〇。」
他社製品:「AとBとCとDを備える〇〇。」

 

⇒このケースでは、他社製品は請求項の構成をすべて満たしているため、特許権侵害となります。

 

なお、ケース3では、他社製品は請求項に記載されていないDという構成を含んでいますが、これによって非侵害になるというわけではありません。侵害にあたるか否かは、あくまでも、対象製品が請求項に記載されたすべての構成を備えているか否かで判断され、それ以外の構成を含んでいるか否かは関係ありません。

 

3.まとめ

 

いかがでしたでしょうか?今回は、特許権の権利範囲の考え方について解説しました。権利範囲の考え方は、特許を取得する際はもちろん、他社特許に抵触していないかを判断する上でも重要な要素です。この記事が、中小企業の知財担当者や経営者の方々にとって、特許権侵害について理解を深める一助となれば幸いです。

 

本ブログでは、今後も、知財に関する情報を随時アップしていきます。知財制度の理解を深め、ビジネスにしっかり活用していきましょう!!

 

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