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「拒絶理由通知」と「拒絶査定」の違い

公開日:2022年11月08日

 

 

皆さんこんにちは、弁理士の小林です。

今日は「『拒絶理由通知』と『拒絶査定』の違い」というテーマでお話します。

 

「拒絶理由通知を受け取りました。これはなんですか?」

「拒絶理由通知を受け取りました。これってもうだめってことですよね?」

「拒絶査定ってなんですか?」

 

こんなご質問を頂くことがあります。この記事では、同じような疑問をお持ちの方々のために、「拒絶理由通知」と「拒絶査定」の違いについてご説明します。「拒絶理由通知」と「拒絶査定」の区別がついていない方は、是非参考にしてください。

 

 

1.特許の審査の流れ

 

特許を取得するためには、特許庁に出願手続きを行い、特許性についての審査を受ける必要があります。特許性についての審査は、出願とは別に「審査請求」という手続きを行うことによって開始されます。特許審査の流れについて、詳しく知りたい方はコチラ(↓)も参考にしてください。

 

特許出願の流れ

 

審査が完了すると、特許庁から通知がやってきます。この時やってくる通知は「特許査定」か「拒絶理由通知」です。「特許査定」というのは、簡単に言えば「許可しますよ」という通知です。これを受け取った場合、特許料を納めることで特許権を取得することができます。

 

しかし、最初の通知で「特許査定」が来ることはほとんどありません。多くのケースで最初にやってくる通知は「拒絶理由通知」です。この「拒絶理由通知」というのは一体どのようなものなのでしょうか?

 

 

2.拒絶理由通知とは

 

勘の良い方であればなんとなく想像はつくと思います。「拒絶理由通知」というのは「特許査定」と反対の通知、「許可しません」という通知です。ここで覚えておいて欲しいのは、「拒絶理由通知」は中間的な判断であり、最終判断ではないということです。

 

拒絶理由通知を受けたときには、反論や手直しの機会が与えられます。反論や手直しによって拒絶理由の解消を目指すことになります。反論は「意見書」という書面で、手直しは「手続補正書」という書面によって行います。

 

 

3.拒絶査定とは

 

意見書や手続補正書を提出すると、特許庁において改めて審査が行われます。審査の結果、拒絶理由が解消し、新たな拒絶理由も見つからなければ「特許査定」が送られてきます。これは先ほど述べた通り、「許可しますよ」という通知のこと。特許料を納めることで特許権を取得することができます。

 

一方、反論や手直しによっても、拒絶理由が解消していないと判断された場合には、「拒絶査定」が送られてきます。「拒絶理由通知」が中間的な判断であるのに対し、「拒絶査定」というのは審査段階における最終判断で、「許可できない」という結論のことです。

 

「拒絶査定」によって一応の結論は出てしまいますが、これによって権利化の途が完全に閉ざされるわけではありません。少し費用は掛かりますが、「拒絶査定」を受けた場合には、「拒絶査定不服審判」を請求することができます。これは「審査」とは別の「審判」という手続きです。「拒絶査定不服審判」を請求すると、3人の審判官によって特許してもよいか否かが改めて審理され、審査段階での判断が覆れば、特許を受けることができます。

 

—おまけ—

実は、反論や手直し後の通知は「特許査定」と「拒絶査定」だけではありません。反論や手直し後の再審査によって、新たな拒絶理由が見つかった場合には、改めて「拒絶理由通知」が送られてきます。再度「拒絶理由通知」を受けた場合も、反論や手直しの機会が与えられます。

 

 

4.まとめ

 

いかがでしたでしたか?「拒絶理由通知」と「拒絶査定」の違いについて理解できましたか?一言で言えば、「拒絶理由通知」は中間判断「拒絶査定」が最終判断ということですね。「拒絶理由通知」が来たときも、「拒絶査定」が来たときも、権利化の途は残されていることを併せて覚えておくと安心ですね。

 

本ブログでは、今後も、知財制度について情報をアップしていきます。知財制度の理解を深め、ビジネスにしっかり活用していきましょう!!

 

 

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