menu

請求項記載ルールの改定について

公開日:2022年06月07日

 

 

特許法施行規則及び実用新案法施行規則の一部を改正する省令(令和4年2月25日経済産業省令10号)が公布されたことに伴い、令和4年4月1日以降の出願においては、いわゆる「マルチマルチクレーム(※1)」形式の記載が認められなくなりました。

 

(※1)マルチマルチクレーム

複数の請求項を択一的に引用する請求項(マルチクレーム)を引用するマルチクレームのこと。

 

マルチマルチクレームの例

 

請求項1 Aを備える装置。(A)
請求項2 さらにBを備える請求項1に記載の装置。(A+B)
請求項3 さらにCを備える請求項1又は2に記載の装置。(A+C, A+B+C)
請求項4 さらにDを備える請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。(A+D, A+B+D, A+C+D, A+B+C+D)

 

[解説]

請求項3:マルチクレーム

請求項4:マルチマルチクレーム・・・省令改正施行後はNG

 

(特許庁「マルチマルチクレーム制限について」を基に小林国際特許事務所が作成)

 

従来は上記のような記載が認められておりましたが、令和4年4月1日以降の出願については、このような記載が認められなくなります。対応策としては、次のような方法が考えられます。

 

対応例1:発明の数を維持して請求項を分ける

 

請求項1 Aを備える装置。(A)
請求項2 さらにBを備える請求項1に記載の装置。(A+B)
請求項3 さらにCを備える請求項1又は2に記載の装置。(A+C, A+B+C)
請求項4 さらにDを備える請求項1又は2に記載の装置。(A+D, A+B+D)
請求項5 さらにDを備える請求項3に記載の装置。(A+C+D, A+B+C+D)

 

[解説]

請求項3:マルチクレーム・・・OK

請求項4:マルチクレーム・・・OK

 

(特許庁「マルチマルチクレーム制限について」を基に小林国際特許事務所が作成)

 

対応例2:必要な請求項に絞る

 

請求項1 Aを備える装置。(A)
請求項2 さらにBを備える請求項1に記載の装置。(A+B)
請求項3 さらにCを備える請求項1又は2に記載の装置。(A+C, A+B+C)
請求項4 さらにDを備える請求項1又は2に記載の装置。(A+D, A+B+D)

 

[解説]

請求項3:マルチクレーム・・・OK

請求項4:マルチクレーム・・・OK

 

(特許庁「マルチマルチクレーム制限について」を基に小林国際特許事務所が作成)

 

令和4年4月1日以降の出願につきましては、上記の点を踏まえて出願書類を作成いたします。従来の記載方法と変わりますが、ご理解ご了承のほどよろしくお願いします。

本件につき、ご不明点がございましたら、担当弁理士へご連絡ください。

 

【詳細は特許庁HPをご確認下さい】

 

〒101-0032 東京都千代田区岩本町3‐4‐5 第一東ビル